感情認知トレーニングの
理論的背景

社会認知の機能
社会で対人関係のやり取りをするための機能である「社会機能」を改善するには、記憶力や注意力、判断力といった「神経認知」と呼ばれる機能の改善に加えて、「相手の感情や考え、行動の意図を推測する力」といった「社会認知」と呼ばれる 機能の改善が重要だといわれています。
社会認知・対人関係のトレーニングの存在
対人関係を築く能力のことを「社会機能」と呼びます。社会機能を改善させる ことで、学校や家庭、職場などの所属するコミュニティでの対人関係が改善し、生活の質や満足度が向上します。
この社会機能を改善させる目的で、「社会認知ならびに対人関係のトレーニング (Social Cognition and Interaction Training:SCIT)」というトレーニングプログラムが開発され、効果が検証されました。感情認知トレーニングは、この SCITの理論を背景に開発されました。

デイビッド・ロバーツ、 デイビット・ペン、デニス・コームズ
(監修:中込和幸、兼子幸一、最上多美子)
『社会認知ならびに対人関係のトレーニング(SCIT)治療マニュアル』 星和書店、2011